「デコポン」は、JA熊本うきを代表するブランド柑橘。品種名を「不知火」といい、「ポンカン」と「清見」の交配で生まれました。不知火のうち、光センサーでチェックされた糖度とクエン酸の基準をクリアしたものだけが「デコポン」と名付けられます。
生産者の技術と愛情が育むジューシーな果実
デコポンは寒さに弱いため、温暖な宇城地方は栽培に適しています。特に海沿いのゆるやかな傾斜地は、冬場も温暖で、空からの太陽光と海面に反射する下からの太陽光が当たる恵まれた環境です。年間出荷量は約5,600トンと、熊本県内でもトップクラス。12月頃からハウス栽培の収穫が始まり、露地物へと移行して、6月いっぱいまで出荷が続きます。
甘さや適度な酸味、みずみずしさや食感など、食味を良くするための苦労は尽きません。果実は大きく成長するため、枝に負担かかからないように一つひとつひもで吊るすのも、大切な作業の一つ。収穫後は、鮮度を保つため、「Pプラス」と呼ばれる特別な包装資材を使って出荷されます。近年は、ぎりぎりまで収穫せず、樹上に遅くまで果実をならせて甘みなどの品質を上げた「こだわりデコポン」も出荷。新しい技術や生産者の愛情が、甘くてジューシーな実りをもたらしているのです。
光センサーで甘さを保証
生産者から持ち込まれた不知火は、一つひとつが光センサーにかけられ、一定の基準をクリアした合格品だけを「デコポン」として出荷するので、甘さはお墨付きです。
外皮は若干厚いのですが、とてもむきやすく、じょうのう膜(房の袋)が薄く種もほとんどないのが特徴。驚くほどの甘さにほどよい酸味が加わったジューシーな房を、そのまま袋ごとおいしく食べられるので、ビタミンに加え食物繊維もとることができます。
認知度アップへの貢献が評価されました
平成14年、JA熊本うきの果樹部会デコポン部は、「第31回日本農業賞」集団組織の部で大賞(最高賞)を受賞しました。これは、デコポンのおいしさを広め、ブランドとして全国に認知させたことが評価されたものです。受賞は大きな励みとなり、その後も、「宇城のデコポン」に対する責任と誇りをもって、生産者たちはよりおいしいデコポンづくりに取り組んでいます。